「富士山の会」に参加して
(大宮農商 杉山 忠五)

翁とてわびやは おらん 草も木も
     栄える御代に会えらく思へば

 こんな古歌を思ひ出す様な、若い元気な人に囲まれて自分も若くなり、生き生きとした世の中に居る実感を得た旅行でした。この企画を運営してくださった会長始め、多くのスタッフの方々に感謝いたします。
 私は、戦前に富士登山を目論みましたが、生憎の召集令状にはばまれて出来ませんでしたので、何時か機会があればと思って居りましたら、丁度五月の合同同窓会の折、会長からこの発表を聞きまして、それで一も二もなく参加を心に決めました。ただ残念乍ら齢の悲しさで完全登頂など思いもよりませんので、せめてその半分五合目位い迄はと思っていましたら、行程の細部が発表になり、五合目迄組と登頂組とになりましたので五合目組に参加させて頂きました。皆さんに大変なご迷惑とお世話をかけた事と存じます。
 五合目に行き、小御嶽神社に参拝、展望台から眺めました。これで一生に一度と思った富士山を目のあたりにしました。半分迄行っても未だこの大きさと高さかとつくづく感動いたしました。  昔習った藤田東湖の詩

  天地正大の気 粋然として神州にあつまる。
 秀でては富士の嶽となり 巍々として 千秋に聳ゆ

戦中の教育を受けた関係で、ついこんな文句が口をついて出て了います。高齢者と思いお許し下さい。
 夜は石和のホテル石風で、男女同数と言うラッキーな人数で、登頂組の皆さんの苦しんでいる最中にカラオケ三昧酒三昧で楽しい時間を過ごしました。申訳ございません。でも、そのツケは二日目の河口湖の食堂に集まった時、登頂組の疲れきった顔の半面、その底に大きな事を成し遂げた自信と満足をのぞかせた顔、ああ、あと十五年若ければなーあのグループに入れたのにと臍をかんだ思いがしました。
 登頂組もゆっくり組も、その行動中は天候に恵まれ、出発地点にバスが到着した時雨になりましたが、何んの事故もなく本当によかったと思います。
 もう一度この企画を運営して下さった方々に心から感謝をし、筆を置きます。有難うございました。

  宴会の折に
友ら今 七合すぎてか八合か 雨風いかにと語りつつ呑む

  河口湖畔で
友ら皆 疲れ果てたる顔なれど 成し遂けたるぞの気をのぞかせて